大分県の郷土料理(選定料理)ブリのあつめし

- 漁師料理。あつあつのご飯とブリで作る「温飯(あつめし)」 -

ブリのあつめし

 農林水産省選定「農山漁村の郷土料理百選」で選ばれた大分県の郷土料理。

 しょうゆベースのタレに漬けたブリの刺身を、あつあつのご飯にのせ、ネギやのり、ゴマなどの薬味を添えて、お茶やだし汁をかけて食べる丼料理「ブリのあつめし(温飯)」。漁業が盛んな佐伯(さいき)市に伝わる郷土料理です。

 漁師が水揚げした新鮮なブリを刺身で食べた後、残った身をしょうゆに漬けこんで保存食として食べたのがはじまりです。古くは琉球の漁師から伝えられた調理法といわれ、別名「りゅうきゅう」とも呼ばれます。

 地域ごとにアジやサバなどが使われ、各地の漁師料理として伝承され続ける料理です。


ブリのあつめしのレシピ

 分量:4人前

(刺身用)
200g
味一ねぎ20g
しらがねぎ12g
金ごま10g
クロメ
(海藻)
10g
ご飯2合
[A]
まる原錦醤油大さじ10
フジヨシ醤油カトレア大さじ7
煮きり酒大さじ7
柚子胡椒小さじ1/2
金ごま大さじ1
1.
鰤のサクを用意する。程よくのった脂と締まった身質が、大分の地醤油の香り甘みと良く絡む。

※ワンポイント
・大分県佐伯市産 豊の活きぶりで作るのがお薦めです。
・クロメ 新物は香り粘りに特徴あり。
・大分県にある旅館黒嶽荘(くろたけそう)のご主人が作る「一年熟成ゆずこしょう」。深み旨味に特徴あり。
2.
鰤を少し斜めに切り分け、合わせ醤油と絡みやすくする。1人前で6枚程度が目安。材料内[A]で合わせ醤油を作る。
3.
切り分けた鰤を、3分程度合わせ醤油に漬け込み、クロメもさっと和える。ご飯はお茶漬けにあうよう、ヒノヒカリを少し固めに炊くのがお薦めです。
4.
漬け鰤を、ご飯に盛り込み、お好みで鰤を漬けた合わせ醤油をひと回し。

味一ねぎの刻み、しらがねぎ、クロメ、わさび、金ゴマ、昆布が強めのかつおだし(お吸い物程度)又は、熱いお茶などを添え、まずはそのまま。後にお出汁を掛けて。

新鮮な豊の活きぶりを、醤油たれに漬け込み、あつあつのご飯の上にのせ、お茶やおだしを掛けていただきます。船上でも食べられる、漁師料理です。
調理のコツ
その時々の旬魚やお刺身の残りを漬けにして楽しめます。漬けた生魚から生臭味が出てくるようならば漬け地を替え、香りの柚子胡椒や柑橘を加えるとより美味しく召し上がれます。漬け魚に葱、卵黄を加えると、酒肴「りゅうきゅう」という郷土料理になります。大分の純米酒や麦焼酎には、ピッタリ。ご家庭で食を通じた旅を楽しんで下さい。
坐来 大分 総料理長 梅原