レポート開催報告

10/11/10

日本・郷土味めぐり 北陸地方と新潟県編

日本・郷土味めぐり 調布市民への生涯学習を推進するちょうふ市民カレッジからの依頼を受け、企画・監修を手がけた郷土料理教室「日本・郷土味めぐり」。11月10日(水)に第2回目「北陸地方と新潟県」編を開催いたしました。今回は北陸地方と新潟の料理を提供する銀座の食事処「方舟」料理長の柴公(しばあきら)さんを講師に迎え、「のっぺい汁」、「治部煮」、「さばのへしこ茶漬け」の3品の作り方を学びました。

 本講座では、郷土料理店で腕をふるうプロ達が講師となり、郷土料理の作り方を一般参加者20名へお伝えします。北海道、新潟県、鹿児島県など、8地域に伝わる料理を全6回に渡り取り上げ、各地域の郷土料理の魅力とともに、家庭でも再現出来るレシピを学びます。プロの料理人の『技』とともに、日本に古くから伝わる郷土料理を知り、作り味わう楽しさをお伝えする企画です。

日本・郷土味めぐり 北陸地方と新潟県編 - 講師紹介 -

柴公さん - 東京都銀座の郷土料理店「方舟」料理長 -
北陸と新潟県直送の厳選素材と日本酒を提供する銀座の食事処「方舟」の料理長。常時100種以上の日本酒と全席に囲炉裏を構える店内で、四季を通した北陸と新潟県の食を提供されています。同店では同地方の日本酒蔵元を囲む会など、様々な催しも開催されています。

当日のメニュー紹介

1.のっぺい汁(新潟県の郷土料理)

鶏肉やにんじん、ごぼう、れんこん、里芋などの季節の具材を鍋で煮込んだ汁物です。片栗粉などを用いず、里芋で自然なとろみを付けているのが特徴。また、汁物としては珍しく冷ましてから食すこともあります。新潟県において里芋と並ぶ名産品である鮭を加えることも多いです。 県内におけるバリエーションは多彩で、新潟県の豊かな食文化を背景とした家庭料理の代表作といえます。 現在でも正月やお盆などの年中行事の際に各家庭で楽しまれています。

2.治部煮(石川県の郷土料理)

鴨肉や鶏肉の切り身に片栗粉をまぶしたものと、麩やせりなどの野菜をだしで煮て、薬味としてわさびを添える椀物です。片栗粉が肉のうまみを閉じ込め、だしに適度なとろみをつけます。 発祥には諸説あり、能登や加賀の山里で捕獲した野鳥を食用にする習慣からうまれたという説や加賀藩にいた宣教師が考案したという説などもあります。旬の野菜、たけのこやれんこんなどの加賀野菜を材料とする治部煮は、四季折々の旬を楽しめる石川県の郷土料理として全国的に知られています。 現在では、結婚式などの祝いの膳には欠かせない椀物です。

3.さばのへしこ茶漬け(福井県の郷土料理)

塩漬けにしたさばをぬかに漬け込んだ福島県若狭地方の伝統料理です。 完成までに短くとも数ヶ月以上かかり、冬場の保存食として伝えられてきました。「へしこ」とは、魚を塩漬けにした後にぬか漬けにすることをさします。漬け込むことを若狭地方の方言で「へしこむ」といい、これがなまって、もしくは略されてその名が付いたとされています。さばをはじめ、イワシやニシン、フグなどで作る「へしこ」は江戸時代中頃が起源といわれています。 現在ではお茶づけや焼き物、パスタ、酒の肴としてなど様々な形で食べられています。

1.のっぺい汁

郷土料理教室第二弾のテーマは北陸地方と新潟県編
「のっぺい汁って何だろう?」
「北陸地方の郷土料理の特徴って..」
前回の千葉県編に続き、今回は北陸地方と新潟県編。

「郷土料理をお店で作るのは大変。家庭の味、お母さんの味にはやっぱり叶わない。
最近は母から子へ伝わることも減ってきたと聞いています。今回は僕なりの解釈で味をお伝えします。気楽に知っていただき、伝えていって欲しい。
なにより美味しくなれ!と愛情を込めてつくるのがポイントだと思います。」

新潟県の家庭の味 のっぺい汁
「油を使わないけんちん汁に似てる!?」
「新潟県でよくとれる食材を用いた、家庭料理ね!」

食材の特徴とあわせて、出汁が味の決め手となるのっぺい汁。
貝柱や干し椎茸の戻し汁を加える作り方、レードルの上手な使い方、様々なプロの技とともに、のっぺい汁の作り方を学びます。

2.治部煮

じぶじぶと音を立てて煮る治部煮
石川県の料亭や高級旅館で提供されるイメージが強い治部煮、見た目にもワンポイントをと、遅い秋を迎えた当日はイチョウ型のにんじんを添えた治部煮を作ることになりました。

「今回は基本の調理法で家庭で再現しやすいレシピですが、手に入ればぜひ現地のものを取り寄せて作ってみてください。鶏肉の代わりに現地では鴨肉を用います。具材には生麩やすだれ麸、他は加賀丸芋に百万石椎茸など。わさびは忘れないで下さいね。」

発祥は諸説、北陸のお母さんの知恵?
「料理の発祥は諸説ありますが、小麦粉で閉じてとろみを付けるのは料理が冷めないようにというお母さんの愛情からうまれた、寒い地方特有の料理だと思います。」
「鶏肉は薄切りに。さっと火通して固くならないように気をつけて。
地域の調理法にあわせた材料の切り方は大切です。」
と柴料理長。郷土料理のポイントはやはり愛情?

「えびや白身魚をあわせても美味しそうね!」
柴料理長の丁寧な解説に、参加者同士の会話も膨らみます。

3.さばのへしこ茶漬け

さばのへしこって?
「さばのへしこって何!?」
「初めてみた!」

初めて見る参加者も多いさばのへしこは福井県の名産品。さばの糠漬けを指します。
1~2年の間一尾丸ごと漬けて作られる「さばのへしこ」は、焼かずにそのまま食べられる保存食。
酒処、北陸地方のおつまみとして定番の一品を、今回はお茶漬けにして味わいます。

様々な料理に活用
「お父さんが大好きなさばのへしこ。日本酒好きの方はそのまま、もちろんお茶漬けにも、サラダにしても美味しいです。茶碗蒸しにしても美味しいかもしれません。
甘みがあって食べやすいですが、同時に塩辛さもあるのでお茶漬けの出汁は
薄目のものを用いましょう。」

郷土料理は味の濃い料理が比較的に多く見られます。これは身体をあたためる知恵なのかもしれません。
「美味しい。どちらで買えるんですか!?」
多くの方が初めて出会う郷土の一品に、予想以上の注目が寄せられました。


次回は鹿児島県編。代々木の食事処「かのや」の女将さんをお迎えします。
どうぞお楽しみに!

前回の様子はこちらから。(千葉県編)

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