沖縄県の郷土料理(選定料理)いかすみ汁

- イカの栄養を詰め込んだ沖縄の薬膳食 -

いかすみ汁

 農林水産省選定「農山漁村の郷土料理百選」で選ばれた沖縄県の郷土料理。

 イカの墨で仕上げる真っ黒なご当地汁。沖縄県の特産物である豚肉、島豆腐、ニガナなどが入り、栄養豊富な料理です。のぼせや頭痛、肩こり、産後の回復によいとされ、沖縄県では出産直後の女性が最初に食す料理がいかすみ汁であったとされています。

 発祥には諸説あり、キリスト教布教のために沖縄に来ていた宣教師によって伝えられたという説もあります。

 いかすみ汁をはじめ、「クリジューシー(クリ=イカスミ、ジューシー=雑炊や炊き込みご飯など)」と呼ばれる雑炊や「イカスミそば」など、沖縄にはイカスミを使う食文化が根付いており、現在も食されています。


いかすみ汁のレシピ

 分量:2人前
スルメイカ1杯
だし汁1,000cc
島菜1/3束
(青菜でも代用可)
万能ねぎ適量
いかすみ1杯分
小さじ1
泡盛50cc
1.
スルメイカをおろし、1cm幅に切る。

※スルメイカのおろし方。
イカの背側に指を入れ、中身をゆっくり引っ張り出します。肝にいかすみ袋が付いています。これは次の手順で使用します。ゲソは炒め物や揚げ物、肝は塩辛や炒め物に使えます。胴の中、背側にビニール状の甲があるので取り除く。胴の中に残った内臓を流水でさっと洗います(この時、洗いすぎると風味が落ちるので要注意) 。胴の部分とエンペラ(耳のような三角の部分)をちぎり取ります。滑り止めにタオルなどを用いて皮を剥きます。面倒であれば皮は剥かなくてもいいですが、皮を剥いた方がイカの色が白く、見映えがいいです。
2.
1で、肝の裏に付いていたいかすみ袋を傷つけないように肝から外し、はさみで先を切る。
※いかすみは手に付くと中々取れないのでご注意を。
3.
鍋にだし汁と泡盛(好みで増やしてOK)を入れ、煮立てた後に塩で味を調え、2のいかすみを加える。
4.
1でおろしたイカを3の鍋に入れ、ひと煮立ちさせたら島菜を加えて仕上げる。器に盛り付け、万能ねぎをお好みで加えて完成。
調理のコツ
いかすみ汁は万能選手!そのまま食べてもおつまみになるし、お好みでご飯を入れてぼろぼろジューシー(沖縄風の炊き込みご飯)にすれば〆の一品に早変わり!貧血や微熱のある時、疲労の激しい時にいかすみ汁を食べると、滋養強壮の効果があると言われています!
南風花(はいばな) 恵比寿店 店長 山口