長崎県の郷土料理(選定料理)具雑煮

- 江戸時代から300余年。今でも愛され続ける長崎の雑煮 -

具雑煮

 農林水産省選定「農山漁村の郷土料理百選」で選ばれた長崎県の郷土料理。

 だし汁に丸もち、鶏肉や魚、季節の野菜など10種類以上の食材を煮込んだ雑煮。

 起源は寛永十四年(1637年)に起こった島原の乱の際、海や山から様々な食材を集めて煮込んだのが始まりとされます。これをもとに、食事処を営んでいた糀屋(こうじや)喜衛ェ門が文化十年(1813年)に味を調え売り出したのが、現在の具雑煮の原型となったといわれています。

 本来は家庭料理ですが、郷土料理として有名になり、現在では市内の様々な飲食店で観光客に提供されています。


具雑煮のレシピ

 分量:2人前
[具材]
丸餅4個
鶏肉80g
大根1/10本
にんじん1/2本
里芋2~3個
れんこん1/3本
どんこ椎茸2枚
笹がきごぼう1/4本
高野豆腐大1個
焼きアナゴ1枚
白菜3~4枚
かまぼこ1/3本
ゆずの皮少々
水菜少々
適量
[調味料]
だし汁400cc
薄口しょうゆ8cc
みりん6cc
2g
1.
あらかじめ、だし汁を用意しておきます。

用意が出来れば、長崎産「焼きあご」を煮出して出汁をとります。お好みによりかつお節、昆布を追加します。

「あごだしパック」も便利です。500ccの水にあごだしパック1袋(少々多めでも可。)を入れ、水から煮ます。沸騰して7~8分、薄く色がつくまで煮出してからパックを取り出します。一晩水につけておいても、濃いものが出来ます。

鶏ガラ出汁でも美味しくいただけます。
2.
具材を食べやすい大きさに切ります。材料内[具材]が定番でしょう。今回は関東風に丸餅を焼いてみました。島原では焼かずに煮るのが定番です。お好みにあわせて下さい。
3.
鍋にごく少量の油を引いて鶏肉を炒めます。
4.
鶏肉の表面に火が通ったら、だし汁を加えます。
5.
だし汁が沸騰してきたら、具材を入れます。大根、にんじん、里芋、れんこん、しいたけ、笹がきごぼう等、煮えにくい材料を弱火で煮ます。時々、あくを取ります。その後、薄口しょうゆ、みりん、塩で味を調整、薄味に仕上げます。
6.
5の具材に火が通ったら、水菜とゆずの皮以外の残りの具材を入れて、ひと煮立ちさせます。丸餅が柔らかくなったらOKです。

最後に水菜と風味付けのゆずの皮を入れ、完成です。
調理のコツ
長崎県、島原半島でも家庭により材料や味付けは様々なようです。本レシピにこだわらずに、様々な材料で(冷蔵庫の残り物でもOK)具だくさんにしてください。お餅とお肉、野菜たっぷりで栄養豊富、バランスにも優れたオリジナル具雑煮に挑戦してください。意外と簡単ですよ。
出島厨房 料理長 森本