山口県の郷土料理(選定料理)ふく料理

- 伊藤博文のお墨付き。下関のふく(福)料理 -

ふぐ陶板味噌焼き

 農林水産省選定「農山漁村の郷土料理百選」で選ばれた山口県の郷土料理。

 山口県で「2500年以上前から食されてきた」と伝わるふく料理。県内では、幸福の「福」にかけて縁起をかついで、フグのことを「ふく」と呼びます。

 戦国時代、多くの武士がフグの毒にあたったことから、豊臣秀吉によってフグ食禁止令が出されました。そして明治時代、長年続く禁止令を解くように働きかけたのは、フグの美味しさに感動した、周防国(現在の山口県)出身の初代総理大臣の伊藤博文でした。

 下関市には「下関ふく連盟」が存在し、様々なイベントを通してふく料理を伝えています。


ふぐ陶板味噌焼きのレシピ

 分量:3人前
ふぐ120g

(10gを12切れ)
あさつき適量
針唐辛子少々
[A]
30cc
みりん30cc
味噌100g

(白1:赤3)
青南蛮10g
[B]
ふきのとう1 1/2個
そら豆9粒
まこもだけ3/8本
伏見唐辛子1本
1.
材料内[A]を参照。酒とみりんを煮切ったものに味噌、青南蛮を刻んだものを入れ、味を調える。出来あがったものより、150gを使用する。

朴葉(ほおば)味噌で代用しても良い。
2.
材料内[B]を例に、旬の野菜を下ごしらえしてから素揚げする。
3.
ふぐは刺身用を使用(唐揚げや鍋用の身でも良い)。火が入りやすい大きさに切る。

陶板に1の味噌を敷き、材料を盛り込み火をつけ味噌が焦げない程度に焼きあげる(家庭ではホットプレートで代用が可能)。

最後にあさつきを添え、針唐辛子を散らして完成。

食材に一度焼き目を付けてからの方が出来上がりが早い。
調理のコツ
ふぐは一度炙った方が香ばしさが出て身が締まり水分が出すぎない。野菜は水分の多い葉物は避け、食材により素揚するか炙ったほうが良い。味噌は好みにより唐辛子と砂糖を加えて甘辛く仕上げ、適度な柔らかさに仕上げる。食材の量に対して味噌を入れ過ぎないように注意する。味が濃い目の為、酒の肴としては日本酒や焼酎などが良い。陶板味噌焼きは白身全般や貝類また牛肉などにも合う。
黒門燈 料理長 多田