山形県の郷土料理(選定料理)いも煮

- 秋の伝統行事「いも煮会」 -

いも煮

 農林水産省選定「農山漁村の郷土料理百選」で選ばれた山形県の郷土料理。

 里芋やこんにゃく、ねぎ、きのこ類、季節の野菜などを主な具材とした鍋料理。

 江戸時代、京都との文化交流から入ってきた料理がルーツとされます。稲刈りが終わる秋に食べごろを迎える里芋は古くから庶民の味として親しまれており、里芋を用いた収穫祭や地域交流の場として屋外で大きな鍋を囲む「芋煮会」は300年程前より行われていました。

 現在も9月の第1日曜日を「芋煮会」のはじまりの日とし、山形県の風物詩となっています。豚肉を用いる庄内風、牛肉を用いる内陸風など、地域により様々な形で受け継がれています。


いも煮のレシピ

 分量:4人前
里芋1kg
平こんにゃく白2枚
長ネギ4本
きのこ
(しめじ、舞茸など)
1パック
白菜1/4個
豆腐1丁
牛肉薄切り600g
800ml
醤油200ml
200ml
みりん100ml
1.
材料の下準備をする。
里芋は水洗いし、皮を六角にむいたら、4等分に切る。
平こんにゃく(白)は、3等分した後、コップなどを使って一口大にちぎっておく。
長ネギは、1cm幅の斜め切りに大きく切り、きのこは石づきを落として小房に分ける。
白菜は食べやすい大きさに切り、豆腐は8等分に切る。
牛肉は4~5cmの大きさに切っておく。
2.
鍋に里芋と平こんにゃく(白)、水と醤油を入れて火にかける。煮立ったら火を弱め、酒、みりんを加えて里芋が柔らかくなるまで煮込む。
3.
里芋に火が通ったら、長ネギ、きのこ、白菜、豆腐、牛肉、を入れて、アクを取りながら煮る。牛肉に火が通ったら完成。
調理のコツ
山形県民の間ではこの料理を“いも煮”とは言わず、“いも煮会”と 呼び、大勢で鍋を囲みます。里芋は、“洗い里芋”を使用すれば、簡単に調理でき便利です。また、先に鍋の中に、里芋、こんにゃくと水、醤油を入れて煮込むと、里芋のぬめりけを抑えられ、煮崩れないようになります。味付けの基本は醤油ですが、味噌をちょい足ししても美味しいですよ。 ―――――――――――――――( 店長:長谷川 ) 味の決め手となる調味料は、“八方だし”と言い、「何でも合う」おだし。「八方美人」の“八方”が語源なんですよ。水:醤油:みりん:酒=8:2:2:1を覚えておいてくださいね。 また、“鍋止め”をすることで味が落ち着くので、鍋の火を消した後は、コンロから降ろさずそのままにしておくのもポイント。 本来いも煮には、白菜や豆腐を使いませんが、一緒に食べても美味しい食材。是非作ってみてください。 ――――――――――――――――――――――( 料理長:田中 )
樽平 銀座店 (右)店長 長谷川 / (左)料理長 田中