青森県の郷土料理(選定料理)いちご煮

- お祝いの席に欠かせない、ウニとアワビのお吸い物 -

いちご煮

 農林水産省選定「農山漁村の郷土料理百選」で選ばれた青森県の郷土料理。

 お椀に盛られたウニの卵巣がだし汁とあわさる事でみずみずしく映え、「朝露のなかの野いちごのようだ」と称された事から「いちご煮」と名付けられました。

 発祥は太平洋の豊かな海を背景にウニとアワビがよくとれた八戸市を中心とする県南地方の漁師料理と言われ、漁家の間では古くから日常的に食されていたといわれます。

 現在では祝いの席や正月に欠かせない一品で、毎年7月には伝承と交流を目的とした「いちご煮祭り」が階上町(はしかみちょう)で開催されています。


いちご煮のレシピ

 分量:4人前
ほたてのひも4個分
だし昆布10g
800cc
あわび100gサイズ2個
木綿豆腐1丁
みず50g
うに150g

(卵白)
30g
片栗粉20g
適量
1.
材料を揃え、出汁を取る。

スライスしたほたてのひもは塩もみし、下茹でしておく。

別の鍋に水を張り、ほたてのひもとだし昆布を用いて出汁を取る。
ほたてのひもとだし昆布は捨てずにとっておく。
2.
1の出汁であわびを煮る。弱火で10分程。
その後冷ましてから身はスライス、肝はみじん切りにする。

煮汁はとっておく。
3.
すり身を作る。下記材料をボウルに用意する。

水気を切り手で崩した木綿豆腐、1のだし昆布とほたてのひも、2のあわびの肝、みず、それぞれをみじん切りにしたもの。
4.
卵白、片栗粉10g、塩を3のボウルに加え、軽くまぜあわせる。
5.
4を容器※に入れ、15分程蒸す。

蒸しあがったら180℃の油で3分程揚げる。

※小鉢や小皿、ケーキカップなど。家庭にあるものを用いて下さい。
6.
2の出汁をペーパーで濾したものに残った片栗粉10gを同量の水10ccで溶き加え、とろみを付ける。
7.
盛り付ける。

椀を用意し、底から右記の順に盛り付ける。5のすり身、2でスライスしたあわびの身、うに。

最後にとろみをつけた6の出汁を全体にかけ、完成。
調理のコツ
お椀に盛られたうにがだし汁とあわさる事で「朝露のなかの野いちごのようだ」と称された「いちご煮」。手順4で材料を30分程寝かすとよりしっとりとした口当たりに、手順5は少し長めに揚げるとより香ばしくなります。みずの代わりにクキのしっかりしたもの、ふきや小松菜などで作っても美味しく召し上がれます。
Bois Vert(ボワ ヴェール) 川口